廣瀬氏 資料
廣瀬氏 資料

廣瀬幸一様より提供の資料を掲載させていただきます。

朝日新聞社説は全面的に廣瀬様の意見を採用されたものです。

廣瀬氏朝日新聞社説

廣瀬氏 委員会参考

平成23年1月31日に開催された厚生労働省「年金記録回復委員会」における廣瀬幸一委員の発言です。

運用3号に反対の廣瀬でございます。前回12月14日の委員会では運用3号の具体的内容を突然目にして数日しか経っていなかったので中途半端な意見となってしまいました。今日は私がそれ以来毎日調査研究したその結果を述べます。ただ今長時間30分くらい説明されました。私もそのくらい時間が欲しいのですが、そうはいかないでしょうから、要点を簡潔に述べます。研究すればするほどこの制度はとんでもない方策です。

1.これ、まず法違反の疑いがあると考えます。

 国民年金法第7条に第3号被保険者の定義が決められています。それは、第2号被保険者の配偶者であって20歳以上60歳未満のもの、と明確に規定されています。この条文には但し書きや読替えや特例はありません。つまり解釈は一つしかありません。従って、運用3号のように、配偶者が国民年金第1号被保険者、あるいは配偶者がいない者が3号と認定されるとなると、この法律に反する状態となります。この条件に合わない人、3号となるには理論上成り得ない人を3号としてしまう、しかも、法律でなく運用で敢えてこの違法まがいとも云える状態を作り出すのでありますから驚く他ありません。私は20年以上社労士として実務を行っていますが、こんな理不尽な話は前代未聞であります。数ある年金記録問題のアイテムの中でも最大級のスキャンダルです。

2.具体的にどういうことがおこるのか

ここに配偶者を外す手続きの紙があります。(実際の用紙を見せる)1月31日離婚です。私の事務所で明日手続きをすることになっています。このような手続きは日々行っているのですが、運用3号が出来てから、この人個人の今後の年金の問題を考えると愕然とします。すなわち、この人は、市役所等の窓口で国民年金1号の手続きをするのが、普通です。1万5千円を毎月納付することになります。状況によっては免除申請もあり得るでしょう。しかし、この人、国民年金の手続きを今後しないとどうなりますか。移転するので職権は及びません。本当ならその分未納で年金は減ります。が、実はこの場合、未納でなく将来は運用3号になります。保険料払わなくても年金が付くのです。つまり、真面目にやらないほうが得をするのです。何もしない方が得をするのです。真面目にすると損をするのです。まだ、具体的事例はいくらでも出すことが出来ますが次。極めつけはこんなのがあります。若い外国人夫婦で数か月社会保険に加入し、退職し、その後南米のある国に帰国しました。この人の奥さん、25年以上経って、日本に来て、年金事務所の窓口に行くと、どうなりますか。運用3号となり、年金が貰えるのです。例外なくそうなるんです。こんな馬鹿げたことが起こってよいのですか。いかなる状況でも運用3号が得なのです。

3.運用3号をやると解決するのか、やらないと大混乱になるのか

説明では、運用3号実施により不整合記録は解決する、やらないとパニックになる、と脅かしています。が、ことは解決しません、エンドレスです。ズルしていたほうが得なので、悪い方向に行きます。なぜなら、加入勧奨や職権を行い、不整合記録をなくす、といっていますが、なくなりません。説明は省きますが、勧奨や職権は限定的でしかありません。又、本人達からの苦情云々で混乱と云っていますが、昭和61年以来、これまで窓口で正しい記録である1号未納になおされた本人から不服申し立てや訴えがありましたか、なにもありません。正しい記録にするのだから文句あるはずがありません。すなわち、正しい1号になおしても問題となる要因はないのです。

4.それではどうすればよいのか

それでは、この問題をどうすれば良いのかの代案を説明します。

今行っている運用3号は中止し、運用3号でなく、運用1号を提案します。それは、運用3号該当者は、不整合部分につき10年に限らず、過去何年でも保険料を遡及して支払えることとするのです。支払い不能者に対しては、合算対象期間として認定するのです。

又、既に受給されている方、既裁定者については、現役とは別個の判断が妥当であります。

保険料は時効があり、合算対象期間は法律上出来ないと云われるでしょう。それでは、法率上出来ないハズの運用3号はなぜ出来るのですか。この説明は全然ありません。

近い将来の問題としては、不整合記録とならない方策としての法整備と適切な事務手続き方法とすることであります。昭和61年4月以来3号不整合記録が毎日発生しているのにもかかわらず、知ってか知らないふりか、とにかく放置してきた責任は極めて重大です。現在も不整合記録は毎日量産されています。野放し状態です。これを止める方策をまず検討すべきです。必要ならば法改正も行うことです。

まとめ

保険料を支払った、加入していたのに私の記録がない、というのが私も当初よりかかわってきた年金記録問題の原点です。

払わない人、加入しなかった人に対して、払った方の保険料から、そして税金から、のべつ幕なしにズルした人に最大限の年金を払っていいのですか。

保険料を払わない人、社会性に欠けた人、悪意ある人を保護し、真面目な人、社会性の高い人、善良な人を突き落とすこの制度はただちに中止すべきです。

 
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